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ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出|王女殿下といただくイングリッシュ・ブレックファスト

2022年9月19日

先日逝去されたエリザベス女王の若い頃のエピソードを基にした『ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出』から再現するのは、物語のラストに登場する朝食。

愛すべき女王に思いを馳せつつ、クラシカルなイングリッシュ・ブレックファストをいただきましょう。

宮殿に戻った王女たちを待っていた朝食とは

VEデーの一日を締めくくったのは、伝統のイングリッシュ・ブレックファスト

朝食のシーンが登場するのは、物語のラスト。

VEデー(ヨーロッパ戦勝記念日)の外出を終えてバッキンガム宮殿に戻った王女とジャック・ホッジ空軍兵に用意されていたのは、極めてトラディショナルなスタイルのイングリッシュ・ブレックファストでした。

美しい金縁の平皿に盛られているのは、大きなソーセージにベイクドトマト、そして黄色が眩しいとろとろのスクランブルエッグ。

銀のトーストラックに並べられた薄手のトーストに、クリスタルのグラスに注がれたレモン水に紅茶、それにマーマレードと思しきジャムが入ったガラスの器も確認できます。

ベイクドビーンズの姿は確認できませんでしたが、典型的なイングリッシュ・ブレックファストという感じですね。

材料・調理法の考察

大きなポイントとなるのは、スクランブルエッグ。

スクランブルエッグの作り方にはさまざまな方法がありますが、今回はエスコフィエのレシピを参考にします。

現代フランス料理の父とも呼ばれるオーギュスト・エスコフィエは、エリザベス女王の高祖母にあたるヴィクトリア女王や、エドワード7世の時代の王室料理人とも交流があったそう。

調理のスタイルなどにも少なからず影響を与えていたと思われるので、彼の方法を参考にクラシカルなスクランブルエッグを作ってみましょう。

ソーセージはイングリッシュブレックファストにつきものの、どっしり大きなフランクフルトソーセージを使います。

焼き加減については、ケント州の地方紙に掲載された王室の元シェフのアドバイスを参考にすることにして。

ジャムについては、ウィルキン&サンズ社のチップトリーマーマレードで決まり。

こちらはエリザベス女王の祖父にあたるジョージ5世の時代から王室御用達ですし、女王ご自身も召し上がっていたそうですから外せません。

英国の人気キャラクター・パディントンと共演した、プラチナ・ジュビリーの記念動画も記憶に新しいところ。

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紅茶は、1837年からロイヤルワラント(王室御用達)の称号を授かるトワイニング社のアールグレイを。

女王はアールグレイを好まれたそうですし、柑橘の爽やかな香りは朝にぴったりですね。

あとはトースト用の食パンと、フレッシュなレモンを加えた冷たいお水を用意すればOK。

さあ、今回もさっそく調理に取りかかりましょう。

参考:https://www.eastridingmuseums.co.uk/EasySiteWeb/EasySite/StyleData/culture/downloads/museums/past-exhibits/sewerby-hall/dinner-is-served.pdf

https://www.businessinsider.jp/post-161683

https://www.kentlive.news/whats-on/food-drink/royal-family-youve-been-cooking-5757595

https://www.twinings-tea.jp/story/history.html

イングリッシュ・ブレックファストを作ってみよう

ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出|王女殿下といただくイングリッシュ・ブレックファスト

スクランブルエッグの調理用に、ノンスティックのフライパンとシリコンのヘラが必要です

材料(2人分)

  • スクランブルエッグ用
  • 卵_4個

  • 牛乳か生クリーム_大さじ4

  • バター_20g

  • 塩こしょう_少々

  • ベイクドトマト・ソーセージ用
  • トマト_1個

  • 小麦粉_小さじ1/2程度

  • オリーブオイル_大さじ1/2

  • ソーセージ用
  • ソーセージ_4本

  • オリーブオイル_大さじ1/2

  • 粗挽き黒こしょう_少々

  • その他の材料
  • トースト_2枚

  • マーマレード_適量

  • バター_適量

  • レモン水_お好みで

作り方

  • ベイクドトマトの準備
  • トマトは1cmほどの厚さにスライスし、両面に小麦粉を薄く振りかけておく
  • フライパンでオリーブオイルを温め、トマトを並べ入れて中火で加熱する
  • トマトの両面に焼き色がついたら出来上がり。お好みで粗挽き黒こしょうを振りかけておく
  • ソーセージの準備
  • ソーセージは焼く20分ほど前に冷蔵庫から出し、常温に戻しておく
  • フライパンでオリーブオイルを熱し、皮が爆ぜないようソーセージを転がしつつ弱火で10分ほど加熱。ほどよく焼き目がついたら取り出しておく
  • スクランブルエッグの準備
  • ボウルに卵を割り入れてコシを切り、塩こしょうを加えてよく攪拌しておく
  • 牛乳(仕上げに加えるため、ティースプーン1杯ほど残しておく)とバターを加えて混ぜ、フライパンか浅手の鍋に注ぎ入れる
  • ごくごく弱火をキープしながら加熱し、シリコンのヘラなどで絶えずかき混ぜる(火が入りすぎるようなら、フライパンを遠ざけるなどで調整する)
  • 卵がクリーム状に固まってきたら残しておいた牛乳を加えて混ぜ、火から下ろしておく(予熱で火が入るため、気持ちゆるめで仕上げるのがおすすめ)
  • 仕上げ
  • スクランブルエッグ・ソーセージ・ベイクドトマトを皿に盛り、バターを塗ったトーストにマーマレード、レモン水・紅茶もセットして完成。

ポイント

  • とろとろクリーミーなスクランブルエッグにするコツは、火加減は超絶弱火・手を止めずかき混ぜ続けることの2点です。

食後のヒトコト

トマトに加え、ベイクドマッシュルームを添えてもいいですね

ミルクとバターをふんだんに使って仕上げた卵は、ふんわりとろとろクリーミー。

ぽろぽろしないので、ナイフとフォークで食べやすいですね。

焼いてコクと甘みを引き出したトマトと、肉汁たっぷりのジューシーなソーセージともよく合います。

甘みだけでなく、皮の爽やかな苦味も楽しめるマーマレードを添えたトーストも、さっくり軽やかで心地良い。

本作はフィクションではありますが、当時王女であったエリザベス女王と妹のマーガレット王女が外出を許され、VEデーの夜に国民と終戦を祝ったというのは実際にあった史実に基づくものだそう。

後に女王となることが定められていた彼女にとって、おそらくこの日が自由に外出できる最後の機会。

映画のようなエピソードがなかったとしても、VEデー翌日の朝食は特別な気持ちを抱きながら召し上がっていたのではないかと思います。

70年もの長きに渡り母国に身を捧げた女王。彼女の軌跡に心を寄せつつ、静かにイングリッシュブレックファストをいただきましょうか。

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  • この記事を書いた人

宵闇

作者の心情や時代背景などを頭でっかちに考察しつつ、物語や歴史に登場する料理を作っています。お仕事のご依頼等については、お問い合わせフォームもしくはinfo@saigengohan.comよりどうぞ。

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