1926年の1月13日は、イギリスの児童文学『くまのパディントン』の作者として有名なマイケル・ボンドの誕生日。
この日にちなんで今回は、パディントンが大好きなマーマレード・サンドウィッチを再現。とはいってもドライフルーツを使う簡単バージョンなので、レンジ調理だけで手軽に作れます。
小さなくまの紳士・パディントンの大好物とは
普段のおやつにも非常食にも欠かせない!マーマレードたっぷりのサンドウィッチ!
今回再現するのは小ぐまのパディントンの大好物、オレンジをたっぷりと使ったマーマレードのサンドウィッチ。
ペルーからイギリスに渡ってくる間の食糧にしたのをはじめ、ブラウン一家と暮らすようになってからは普段のお茶の時間に、お出かけの際には非常食として帽子の中にしまっていたりと、欠かせない様子のこちら。
さまざまな場所に持ち込まれ、作中ではたびたびトラブルの元にもなるマーマレード・サンドウィッチですが、青いコートと赤い帽子とともに、彼のアイコンともなっている食べ物です。
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さて、そんなパディントン。原作は各国語に翻訳され、児童文学として世界中で広く親しまれていますが、本場イギリスでの人気は相当なもの。
最近は映画化により、ちょっとしたフィーバーも巻き起こしたようで。
パディントンのTwitterアカウント。英国でのテレビ放送時には自ら映画を実況解説していました
映画の公開による影響で、老舗のジャムメーカー・ロバートソンズのマーマレード
ウェイトローズのレシピサイトでは、マーマレードレシピのダウンロード数が282%も増加したのだというから驚きです。
パディントンはイギリスの国民的なキャラクター(日本で言うならドラえもん的……?)ですが、その人気のほどがよく分かりますね。
ジャムの老舗・ロバートソンズのマーマレード。映画の公開後にパディントンがプリントされたラベルに一新されています。
参考:https://www.thegrocer.co.uk/buying-and-supplying/paddington-effect-brings-boom-in-marmalade-sales/510916.article
https://www.dailymail.co.uk/femail/food/article-2946700/Marmalade-sales-soaring-thanks-Paddington.html
材料の考察
パディントン効果でちょっとしたブームになったマーマレード。
とても美味しいスプレッドですが柑橘の皮を丸ごと使うジャムのため、作るにあたってはいくつかクリアしておかなければいけないことがあります。
まずは、なるべく無農薬のオレンジなどを使うこと。
輸入のオレンジ・レモンなどについては輸送時間のかかる船便が基本のため、防カビ剤が使われています。
成分の量や濃度については健康に問題が出ないようコントロールされているものの、皮ごと食べる料理に使うのはやっぱりちょっと気になるもの。
第二に、そもそも苦味の強い皮をジャムとして美味しく食べるには、下処理の手間が結構めんどうだということ。
苦味を抜くために水に漬けたり、何度か水を換えて茹でこぼしたりする必要があるため、普通のジャムを作るより大変です。
長期保存を見越して大量に作るなら手間をかける価値もありますが、少しだけ食べるなら買った方が断然いい。
でも、ほんのりビターで爽やかなマーマレードを自分好みの味で作ってみたい……。
そこで思いつきました。オレンジピールや、ドライフルーツのオレンジを使えばいいじゃないか。
オレンジピールなら皮ごと食べることを前提に作られた食べ物ですし、砂糖漬けにしてあるので水を加えて加熱すればジャムっぽくなるはず。
好みでレモン果汁や洋酒を加えて香りをつければ、家でしか作れない特別なマーマレードになりそう。
方向性が決まったので、さっそくレシピの組み立てスタートです。
マーマレード・サンドウィッチを作ってみよう
くまのパディントン|ドライフルーツで作る簡単マーマレード・サンドウィッチ
材料
- 簡単マーマレード用
オレンジピールかドライオレンジ 50g
沸騰させたお湯 1/2カップ
レモン果汁 大さじ1/2
キュラソーもしくはブランデー 小さじ1
- サンドウィッチ用
食パン 2枚
バター 適量
作り方
- 簡単マーマレードの準備
- オレンジピール(ドライオレンジの場合は細かく刻んでおく)を高さのある耐熱容器に入れ、沸騰したお湯を加えて30分ほど漬けておく
- 1にレモン果汁を加え、600Wのレンジに約6分かける(吹きこぼれないよう、時々取り出してかき混ぜつつ様子をみる)
- キュラソーを加え、さらに3分ほどレンジで加熱すれば完成
- 仕上げ
- 食パンは軽くトーストしておく
- パンにバターを塗り広げ、ママレードをたっぷりと塗って挟めば出来上がり
ポイント
- 砂糖不使用のドライオレンジを使う場合、大さじ1杯程度の砂糖を加えて甘さの調整を。
食後のヒトコト
ドライだしオレンジの香りはそれほど強くないかな? と思っていましたが、レンジにかけると結構しっかりオレンジの香りが漂ってきます。
今回は砂糖漬けのドライフルーツを使ったので加糖せず、水とレモン果汁・ブランデーだけで作りましたが、甘酸っぱさがちょうどいい。
控えめな甘さに、ほんのりとした皮の苦味がアクセントになって食べやすいマーマレード・サンドウィッチに仕上がりました。
一人暮らし・二人暮らしの場合にはジャムって持て余しがちだと思いますが、この方法なら食べたい分だけ作ることができます。
同じ方法で他のドライフルーツでもジャムが作れるのもいいところ。
ちょっとだけ残ってしまったドライフルーツを混ぜ、オリジナルのジャムにしても良さそうですね。
ちなみにマーマレードサンドもいいけれど、イギリスらしいお菓子でお茶の時間を楽しみたいなら、若松河田にあるティールーム・THE THREE LITTLE PIGS さんびきのこぶたもおすすめ。
北イギリス出身のオーナーによるスコーンやジンジャーブレッド、キャロットケーキなど伝統のティーフードを、美味しいイギリスの紅茶とともに味わえます。
素朴で優しい雰囲気のインテリアも素敵。テイクアウトもできるので、パディントンが暮らしたイギリスの空気を感じたい時にはぜひどうぞ。