フリーレンの「馬鹿みたいにでかいハンバーグ」

記事には広告が含まれます 再現料理 日本の作品

葬送のフリーレン|がんばった戦士を労う1kg超のビッグハンバーグ

今回再現するのは、『葬送のフリーレン』に登場する「馬鹿みたいにでかいハンバーグ」。

ドワーフのアイゼン直伝のビッグサイズのハンバーグは、肉汁たっぷりジューシーでふわっと柔らか。誕生日にはもちろん、クリスマスやお正月などのごちそうにもおすすめです!

フリーレンがシュタルクの誕生日に作った料理とは

ドワーフのアイゼン直伝!ビッグサイズの「馬鹿みたいにでかいハンバーグ」

『葬送のフリーレン』原作漫画第3巻の26話「戦士への贈り物」、アニメでは第12話「本物の勇者」に登場する大きな大きなハンバーグは、フリーレンがシュタルク18歳の誕生日祝い用に作っていたもの。

このハンバーグはフリーレンのかつての旅の仲間であるドワーフのアイゼンが仲間の誕生日のたびに作っていた料理だそうで、フリーレンはレシピを彼から教わっていたんですよね。

アイゼンはシュタルクの師匠でもあるため、シュタルクも誕生日には大きなハンバーグを作ってもらっていましたが、その謂れなどについては知らなかった様子。

焼きたてのジューシーなハンバーグ

アイゼンの不器用さにあきれつつ、ドワーフの国の風習で「精一杯頑張った戦士を労うための贈り物」として作られる大きなハンバーグについて語られていくのが印象的。

素敵なごちそうが並ぶ誕生祝いのテーブルでハンバーグをきっかけにシュタルク自身の思い出も明らかになっていく、少し切なくもあたたかなエピソードでした。

材料・調理法の考察

現在日本で一般的なハンバーグは「Buletten(ブレッテ)」もしくは「Frikadelle(フリカデレ)」と呼ばれるひき肉にパン粉を加えて焼いたドイツやデンマークの料理が起源と言われていますが、フリーレンの世界観も街並みや人物名などを見る限り、ドイツやヨーロッパがモデルと思われます。

ファンタジー作品であるフリーレンの物語にドイツのハンブルグ地方に由来する「ハンバーグ」が登場することについては、SNSなどでちょっとした物議にもなっていましたね。

たしかに突き詰めて考えてみると、異世界であるフリーレンの世界に「ハンバーグ」の名前が登場するのはおかしいのかもしれませんが、そもそも本作は日本語で書かれている物語。

作中の人名はドイツ語に由来するものが多いようですし、「ひき肉に卵や粉などのつなぎを加えて混ぜ、成形し焼き上げる料理」のことを共通認識として「ハンバーグ」と呼んだとしても、特に不思議なことではないような気もします。

というわけで、フリーレン世界のハンバーグも私たちの世界のそれと似たような形で作られていると解釈して問題なさそうですから、今回材料などは日本でごく一般的に使われている牛豚の挽き肉に、つなぎとしてパン粉や炒めた玉ねぎなどを採用。

なお、通常サイズのハンバーグでも「常温に戻した牛豚の挽き肉を使うこと・手でこねないこと・つなぎをしっかり加えること・成形の際に空気を抜くこと・火加減を守ること」が家庭で美味しく作るポイントになりますが、今回は挽き肉だけでも1kgの量を使って焼く大きなハンバーグ。

サイズが大きいと崩れたり、生焼けになったりするリスクも上がりますから、ハンバーグだねの作成や、焼き上げの際には特に以下のようなポイントを押さえておく必要があります。

  • 牛のみの挽き肉だと硬くパサつきがちになるため、ほどよく脂を含んだ牛豚の合い挽き肉を使う
  • 火の通りを均一にし、生焼けを防ぐため挽き肉は調理する1時間ほど前に冷蔵庫から出し、常温に戻してから使う
  • 挽き肉は手でのこね作業NG。フードプロセッサーやマッシャー、木べらなどを使い、全体が白っぽくなるまで練るようにこねる(肉の重みが手首にかかってくるため、穴の空いた構造で重さが分散しやすいマッシャーがおすすめ)
  • 肉汁を逃さずふわっとした仕上がりにするため、炒め玉ねぎ&パン粉のつなぎは省略せず加える
  • ハンバーグだねをまとめる際には高い位置から叩きつけるように落とし、中の空気をしっかり抜いておく
  • 200℃のオーブンで焼いたあとに、温度を上げて仕上げ焼きをする

ちなみに『葬送のフリーレン アンソロジー~異なる旅を楽しむ魔法~』に掲載されている本作のスピンオフ作品『厨房のフリーレン』にはハンバーグの具体的な材料や作り方なども書かれています。

なので再現料理なら漫画のままの方法で挑戦したいところ……なんですが、これは魔法使いやドワーフの技を持つアイゼン用のレシピなのかな?

そのままの作り方だと1kg超えの重ーいハンバーグだねをひっくり返して焼く必要がありますし、他にも人間の私たちには失敗しやすいポイントが多いように思われます。

今回のレシピは魔法やドワーフの力などが無い私たちでも失敗なく作れるようアレンジし、巨大ハンバーグ最大の難関「ひっくり返す作業」なしで作れるのが良いところ。

オーブンで焼くため崩れにくく生焼けになるのも防ぎやすいので、おうちハンバーグはどうしても煮込みになりがち……という人にもおすすめできますよ。

「馬鹿みたいにでかいハンバーグ」を作ってみよう

葬送のフリーレン|がんばった戦士を労う1kg超のビッグハンバーグ

Recipe by 宵闇

材料(φ20cm・高さ5cm程度のハンバーグ一台分)

  • ビッグハンバーグ用
  • 牛豚合い挽き肉_1kg

  • 玉ねぎ_1+1/2個(400g程度)

  • にんにく_2片

  • 卵_2個

  • パン粉_2カップ(100g程度)

  • プレーンヨーグルト_1/2カップ

  • バター_20g

  • 塩_小さじ1+1/2

  • こしょう_小さじ1

  • グレイビーソース用
  • ハンバーグを焼く際に出た肉汁_適量

  • 水_150ml

  • 赤ワイン_50ml

  • 薄力粉_大さじ1

  • ウスターソース_大さじ2

  • ケチャップ_大さじ1/2

  • 顆粒コンソメ_小さじ1

  • デコレーション用
  • くるみやカシューナッツなどお好みのナッツ_適量

  • チャービルやイタリアンパセリ_適量

作り方

  • ビッグハンバーグの準備
  • 挽き肉は室温に1時間ほど置いて常温に戻しておく
  • 玉ねぎ、にんにくはごく細かなみじん切りにしておく
  • フライパンでバターを温め、玉ねぎ・にんにくが淡いきつね色になるまで中火で10-15分ほど炒める
  • 大きなボウルに1と塩を加え、白っぽく粘りが出るまでしっかりこね上げる(挽き肉は体温程度でも脂が溶け出しタネがまとまらず崩れる原因になるため、手でこねるのはNG。全てを手作業で行うのはかなり大変ですから、何回かに分けて少しずつフードプロセッサーにかけ、その後ボウルに移してマッシャーで練り混ぜるのがおすすめです。)
  • オーブンを200℃で予熱開始しておく
  • 4に溶いた卵とプレーンヨーグルト・こしょうを加え、全体をよく混ぜてハンバーグだねを作る
  • まな板などにハンバーグだねを移し、高い位置から落とすように叩きつけて空気を抜きつつ高さ5cm・直径20cm程度の円形にまとめる
  • オーブンペーパーを敷いた天板にタネを移したら、オーブンペーパーの隅を持って再度高い位置から何度か落として空気を抜いておく
  • オーブンの中段に天板をセットし、30分ほど焼く(天板内の肉汁はグレイビーソースに使うため、捨てずそのままで)
  • グレイビーソースの準備
  • ハンバーグを焼く際に出た肉汁を半分ほど小鍋に移し、薄力粉を振り入れて弱火にかけながら溶かす
  • 1がふつふつと泡立ってきたら水と赤ワインを少しずつ加えながら滑らかになるまで混ぜ、火を強めて中火にかける(水分を加えた瞬間にダマっぽくなりますが、混ぜ続ければ滑らかになるので根気強く撹拌しましょう)
  • 沸騰してきたら弱火に落として煮詰め、とろみがつけばソースの完成
  • 仕上げ
  • オーブンの温度を230℃に上げ、肉の表面に焼き色が付くよう6-7分ほど焼く(焼き上がりはタネの中心に竹串などを深めに刺してチェック。肉汁が溢れてくるようならOKです)
  • ソースをかけ、ナッツやチャービルを飾り付けたら出来上がり。家族や仲間と一緒にもりもり召し上がれ!

ポイント

  • さすが1kg超えのハンバーグ、焼き上げる際に出る脂の量がものすごい……。グレイビーソースには通常、ハンバーグを焼く際に出る肉汁を余さず加えますが、今回それをするとソースがぎっとぎとになってしまいます。加える肉汁の量にはくれぐれもご注意を。

食後のヒトコト

皿の上の大きなハンバーグステーキ

森に生きるドワーフ仕込みのハンバーグを意識して、ナッツやハーブでデコレーションしたハンバーグは、まるでホールケーキのよう。より誕生日っぽくなるし、アイゼン意外と? 繊細なところがあるので手に入れば森の木の実や野草で飾り付けをしていることもあったかもしれません。

これだけ大きくても肉汁を閉じ込めてくれるつなぎをしっかり加え、よーくこねているため、仕上がりはふわっとジューシー。

誕生日ケーキのようにハンバーグをカットするとジュワッと溢れ出る肉汁に、食卓が盛り上がること間違いありません。

アイゼンやフリーレンのように誕生日プレゼントにするのはもちろん、クリスマスやお正月などお祝いの席のごちそうにもぴったり。ご家族や仲間と一緒に食べれば、いっそう美味しく楽しくいただけますよ。

再現料理のこぼれ話などはTwitterで!

Twitterはこちら

Instagramはこちら

OFUSEはじめました!

サポートしてもらえると喜んで、より面白い料理ネタ探しや素敵食材・レストラン紹介などに励みます

  • この記事を書いた人

宵闇

作者の心情や時代背景などを頭でっかちに考察しつつ、物語や歴史に登場する料理を作っています。お仕事のご依頼等については、お問い合わせフォームもしくはinfo@saigengohan.comよりどうぞ。

-再現料理, 日本の作品
-, , ,