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アピシウス|古代ローマのブロッコリーサラダ

古代ローマ時代の再現料理、第二弾。今回はブロッコリーを使ったサラダです。

私たちが毎日の食事で当たり前に食べている「ブロッコリー」。古代ローマ人たちは果たしてどのように味わっていたのでしょうか?

古代ローマ人の食事にも欠かせなかった「ブロッコリー」

古代ローマ時代の料理本『アピシウス』にも登場するブロッコリーレシピ

サラダやスープなどの料理に使いやすく、毎日の食事でおなじみのブロッコリー。

実は古代ローマ時代から栽培されていたそうで、ローマの博物学者・プリニウスの『博物誌』にもそれと思われる野菜についての記述があります。

以前当ブログで扱ったことのある古代ローマ時代の料理本、『アピシウス』にもブロッコリーを使った料理が多数登場。

サラダやソテー、煮込みなどの料理が紹介されており、さまざまな方法で楽しまれていたことを窺い知ることができます。

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参考:https://www.tastesofhistory.co.uk/post/a-brief-history-of-foods-broccoli

https://www.gutenberg.org/ebooks/61113

材料・調理法の考察

さて。今回再現するのは、その『アピシウス』で紹介されているブロッコリーのサラダ。

『アピシウス』では「Cimas et coliclos」の項目でブロッコリーもしくはカリフラワーの料理として紹介されており、作り方は以下の通りです。

CIMAS. Cuminum, salem, vinum vetus et oelum. Si voles, addes piper et ligusticum, mentam, rutam, coriandrum, folia coliclorum, liquamen, vinum, oleum.

引用:Apicius “Cimas et coliclos.” Apicii Cœlii De opsoniis et condimentis
https://archive.org/details/apiciicliideops00apicgoog/page/n131/mode/2up?ref=ol&view=theater

概要:ブロッコリーもしくはカリフラワーを茹で、クミン、塩、古いワイン、オイルで味をつける。お好みでコショウ、ラベージ(セロリに似たセリ科のハーブの一種)、ミント、ルー(ヘンルーダというハーブの一種。この時代には薬用・食用とされたが軽い毒性があるため、現在では専ら観賞用)、コリアンダーを加える。

現代のレシピ本と違って分量などが細かく書かれているわけではないんですが、茹でたブロッコリーをハーブ入りのドレッシングで和えた、温野菜のサラダといったところでしょう。

スパイスやハーブについてはクミン以外お好みで……という感じのようなので、今回はこしょう・ミント・コリアンダーをチョイス。

古いワインは赤ワインビネガーでいいと思いますが、酸っぱくなったワインを再現するなら、アルコール分を飛ばした赤ワイン+お酢というのも良さそうですね。

シンプルな料理なのでさくっと決定。今回も早速はじめていきましょう。

参考:https://www.gutenberg.org/ebooks/29728

古代ローマのブロッコリーサラダを作ってみよう

アピシウス|古代ローマのブロッコリーサラダ

材料(2-3人分)

  • ドレッシング用
  • 赤ワイン_大さじ1

  • 酢_大さじ1/2

  • オリーブオイル_大さじ2

  • 塩_2つまみ

  • ドライミント_ひとつまみ(刻んだ生のミント3-4芯分に置き換えてもOK)

  • クミン_4-5振り

  • コリアンダー_2-3振り

  • こしょう_1-2振り

  • ブロッコリーの下茹で用
  • ブロッコリー_1株

  • 塩_小さじ2

  • 水_1L

作り方

  • ドレッシングの準備
  • 赤ワインは耐熱容器に入れ、600Wのレンジに1分ほどかけてアルコール分を飛ばしておく
  • 1の粗熱が取れたら酢と塩を入れて攪拌し、塩が溶けたら残りの材料を加えてよく混ぜ合わせておく
  • 仕上げ
  • ブロッコリーは小房に分け、芯の部分も皮を剥いて食べやすいサイズにカットしておく
  • 鍋に水を塩を入れて沸かし、沸騰したらブロッコリーを加えて3分ほど茹でてざるに上げておく
  • 2の水気が切れたら熱いうちにドレッシングをかけ、よく和えれば完成

ポイント

  • 今回は古くなったワインの再現でアルコール分を飛ばした赤ワイン+酢を使っていますが、赤ワインビネガー大さじ1杯に置き換えてもOKです。

食後のヒトコト

風味の良い赤ワインビネガーのドレッシングに、クミンとコリアンダーが効いてほんのりスパイシー。

ミントもドレッシングに混ぜているため刺激はマイルド。爽やかなアクセントが加わって食べやすいサラダです。

さっぱりとしているし、意外に献立を選ばないので副菜として取り入れやすいんじゃないかと思います。

シンプルにマヨネーズでいただくブロッコリーも美味しいものですが、たまにはこんなアレンジもいいかも。

スパイスさえ揃えば簡単なので、古代ローマのグルメ気分で挑戦してみてはいかがでしょう?

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  • この記事を書いた人

宵闇

作者の心情や時代背景などを頭でっかちに考察しつつ、物語や歴史に登場する料理を作っています。お仕事のご依頼等については、お問い合わせフォームもしくはinfo@saigengohan.comよりどうぞ。

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