2月1日は『チャーリーとチョコレート工場』の作中で、子どもたちがチョコレート工場へ招かれた日。
この日にちなんで再現するのは、本作の主人公であるチャーリー・バケット少年が毎日のように食べていたキャベツのスープです。
チャーリーたちが毎日食べていた食事とは
バケット一家の夕食はキャベツだけの質素なスープ
キャベツのスープが登場するのは主人公であるチャーリー少年の家族、バケット一家の夕食として。
貧しいバケット一家の食事はとても質素で、スープの具はキャベツのみ。
劇中では、食材を調達できず手ぶらで帰宅したチャーリーの父・バケット氏にスープに加える具がないかと訊ねるバケット夫人が、「キャベツに合うのはキャベツよね」と努めて明るく返すシーンが印象的でした。
材料・調理法の考察
『チャーリーとチョコレート工場』の原作にあたる『チョコレート工場の秘密』が出版された1960年代のイギリスは、長く続いた食糧不足の時期をようやく脱してきた頃。
缶詰食品や調味料の種類が飛躍的に増え、インド系・中国系移民が開いたレストランでの外食が庶民の間で人気になったのもこの頃からのことです。
とはいえイギリスでは第二次世界大戦後も長く食糧配給が続いており、完全に配給が終了したのが1958年。
チャーリーたちバケット一家のように、多様化する食の恩恵に預かれない人もまだまだ多かったのではないかと思われます。
そんな時代背景がある1960年代のスープですし、バケット一家の食事情は原作にも書かれている通り、「朝食はパンとマーガリン、昼食はゆでたジャガイモとキャベツ、夕食はキャベツのスープというのが精いっぱい」という感じ。
スープに加える食材について、キャベツ・じゃがいもはまず確定として。
以下でも触れたように、戦時中のイギリスでは家庭での野菜栽培が推奨されていました。戦後にしても、引き続き栽培していたご家庭は多そうですね。
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コンソメなんて贅沢品はバケット家には到底ないだろうと思われるため今回は禁じ手として、イギリスのスープ料理ですから、味付けはマーガリンに定番の酢と塩・こしょう・砂糖くらい?
スパイスやハーブも無しで作るので、キャベツはマーガリンで炒めて甘みを引き出して入れるのがいいかな。
朝食の残りのパンくずだって無駄にはしなかったでしょうし、これもスープに加えちゃいましょう。
にしても、果たしてどれだけ美味しくできるのか……。
ちょっと不安が残りますが、今回もさっそくスタートです。
参考:https://www.historic-uk.com/CultureUK/Food-in-Britain-in-the-1950s-1960s/
参考:https://www.historic-uk.com/CultureUK/Rationing-in-World-War-Two/
キャベツスープを作ってみよう
チャーリーとチョコレート工場|バケット家のキャベツスープ
材料(4人分もしくは少なめ7人分)
キャベツ_1/4個
じゃがいも_中2個(新じゃがなら4-5個程度)
水_800ml
マーガリン_20g
パン粉_大さじ3
酢_大さじ1
塩_小さじ1
砂糖_小さじ1/2
粗挽き黒こしょう_適量
作り方
- オーブンは210℃で予熱しておく
- キャベツは1cm幅程度の細切りにカット。じゃがいもはよく洗い、皮付きのまま1cm厚ほどの半月切りにしておく
- じゃがいもにサラダ油(分量外)をまぶしてクッキングペーパーを敷いた天板に載せ、オーブンの上段で焦げ目がつくまで20-25分ほど焼く
- 鍋にパン粉を入れ中-強火で濃いブラウンになるまでから炒りし、一旦取り出しておく
- 鍋でマーガリンを熱し、キャベツ・塩・砂糖を加えて7-8分ほど中火で炒める
- キャベツがしんなりしたらパン粉を加えてざっと混ぜ、水と酢を加えて蓋をし、中火で15-20分程度煮る
- じゃがいもを加えて弱火で15分ほど煮込めば完成。粗挽き黒こしょうを振りかけて召し上がれ
ポイント
- スープに深みを与えてくれるので、焦がしパン粉はなるべく濃い色に仕上げるのがベスト。焦げやすいのでご注意を。
食後のヒトコト
焦がしパン粉とローストしたじゃがいもの香ばしさ、マーガリンでしっかり炒めたキャベツの甘みで、肉やコンソメなしでもなかなかのうま味。
チャーリーたちバケット一家が普段食べていたのはキャベツのみのスープなので、じゃがいも・パン粉入りはかなりの豪華版ですが、写真のように炒りごまやキャラウェイシード、ベーコンやソーセージなども加えると格別の風味に。
彼らからすると大ごちそう。ひょっとしたら、お金持ちになった後のバケット家ではこんなスープが登場することもあったかも……?
とはいえ腹持ちは良くないので、いつもお腹を空かせていたチャーリーのようにならないよう、パンやおかずと一緒に食べてくださいね。
なお、ウォンカバーについては残念ながら2018年に終売していますが、ウォンカの工場で作られていたような濃厚で甘さたっぷりのチョコレートを味わいたいなら、キャドバリーのデイリーミルク
海外のチョコレートらしいしっかりした甘さとクリーミーさで、食後のデザートにもぴったりです。