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南極料理人|ドームふじ基地の贅沢おにぎりと豚汁ランチ

1911年の12月14日は、ノルウェーのロアール・アムンセン隊が世界初の南極点到達を果たした日。

人類が初めて地球の最南端に到達した日にちなんで作るのは、南極を舞台とした2009年の映画『南極料理人』に登場する豚汁とおにぎりの昼食です。

極寒の観測基地・ドームふじ基地のある日の食事

熱々の豚汁と4種の具が贅沢なおにぎりの昼食

劇中でこの食事が登場したのは、とある日のドームふじ基地の昼食時の場面。

主人公の調理担当隊員・西村さんが観測地点まで自転車で出向いてアナウンスした昼食メニューの内容は「熱々の豚汁と、当たりとして豪華北海道産イクラの入った美味しい美味しいおにぎり」とのことで。

その言葉を聞いて観測を行なっていた隊員の皆が静かに、でも我先にと基地を目指して走る姿がおかしみを誘う良いシーンでした。

さて、本作の舞台となるドームふじ基地は、南極の観測基地として有名な昭和基地よりさらに内陸に設けられた拠点。

富士山の高さ3776mに迫る標高に位置するため、「ふじ」と名前がつけられたそうです。

南極における過去の気候や環境の変化が封じ込められた、「氷床コア」の採取を目的に設けられたこちら。

2007年に深さ3035mまでの氷床掘削に成功して以降は劇中のように隊員が通年滞在していないようですが、日本の4つの観測拠点のうち、最も標高が高い場所にあるため年間の平均気温はなんと-50℃以下。動物はおろか、ウイルスも生息できないという過酷な環境です。

本作の物語は基地での生活の様子を淡々と追うものでしたが、あの物語は想像を絶する厳しい環境下で繰り広げられていたんですよね。なんだかちょっと感慨深い……。

参考:https://emira-t.jp/ace/14468/

https://www.nipr.ac.jp/antarctic/jarestations/#fuji

材料の考察

そんな南極の内陸部にある基地での食事。時代も現在でなく20年以上前の1997年のことなので、持ち込んでいる食材のほとんどは冷凍品だったそう。

参考:https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2107/spe1_02.html

劇中でも業務用と思われる冷凍野菜のパックを解凍する姿が描かれていたり、冷凍品として出回っていない食材は自分で冷凍加工して持ち込んだ……というエピソードも紹介されていました。

  • 牛肉の大和煮
  • たらこ
  • イクラ

おにぎりの具は劇中のセリフから上の4種類は確定ですし、豚汁の具についてもほとんどが冷凍の食材でしょう。

物資は限られていたと思われるため、具も豚肉・にんじん・大根・ごぼうなどを使った、ごくごくオーソドックスなもののはず。

「凍ったらダメになるこんにゃく類は持ってきていない」との台詞から、こんにゃくは入っていないようですが、映像で大写しにされた豚汁の鍋の中を見ると、予想通り豚肉・にんじん・大根・ごぼう・長ネギ・しいたけなどの姿が。

きのこは乾燥させるとうま味が強くなり、かさも減るのでしいたけについては干ししいたけがいいかな。

他は特に変わった具材が入っている様子はないので、上記の具を入れた定番・基本の豚汁を作る感じで問題なさそうです。

豚汁とおにぎりの昼食を作ってみよう

南極料理人|ドームふじ基地の贅沢おにぎりと豚汁ランチ

材料(4人分)

  • 豚汁用
  • 豚バラ肉 200g

  • 大根 輪切りで3-4cm(100g)程度

  • にんじん 1/2本

  • ごぼう 1/3本

  • 長ネギ 1/3本

  • 干ししいたけ 小3枚ほど

  • ごま油 大さじ1

  • 味噌 大さじ3

  • おにぎり用(焼き鮭・焼きたらこ・大和煮各3個+イクラ1個の計10個分)
  • 炊きたてのごはん 約3合分

  • 焼き鮭 1/4切れ

  • 焼きたらこ 1本

  • 牛大和煮缶 1/2缶

  • イクラ 大さじ1弱

  • 焼きのり 10枚

  • 塩 適量

作り方

  • 豚汁の準備
  • 干ししいたけは水で戻して薄切りにしておく(戻し汁は捨てずに取っておく)
  • 豚肉は一口大、にんじん・大根は半月切りもしくはいちょう切り、ごぼう・長ネギは斜め切りにしておく(野菜の厚さは全て4-5mm程度)
  • 鍋でごま油を熱し、野菜・しいたけ→肉の順で炒める
  • 肉に十分火が通ったら干ししいたけの戻し汁と、具材が被るくらいの水を加えて中火にかける
  • 沸騰したらアクをすくい、味噌を加えて弱火で10分ほど煮れば出来上がり。お好みで七味や一味を振りかけて召し上がれ
  • おにぎりの準備
  • 焼きたらこは3等分にカット、焼き鮭・大和煮も軽くほぐして3等分しておく
  • 茶碗に軽く1杯ほどのご飯を取り、手水に塩をしてまんべんなく塩が行き渡るよう軽く握る
  • ご飯の中央を丸くくぼませて具を入れ、包むように力を入れすぎずふんわりと握る
  • 出来たおにぎりを焼き海苔で包めば完成

食後のヒトコト

今回のおにぎりの具である鮭・大和煮・イクラ・たらこ。
こうして並べると先付けの小料理みたいですね。

このところ特に冷え込んでいたこともあって、熱々の豚汁がしみ渡ります。

エネルギー消費の激しい極寒の地で仕事をする人たちの昼食だし……ということで、おにぎりをかなり大きめに作った(レシピでは一般的なサイズで表記しています)ため、2個も食べるとお腹いっぱいいっぱい。

でも豚汁とおにぎり、間違いない組み合わせです。

自分で作ると並べ替えてもだいたい中身は分かっちゃいますが、おにぎりで当たりを作っておくのも面白いなあ。

普段の食事で何種類もおにぎりの具を用意するのは大変ですが、ちょっとした遊びの要素が加わるのでお休みの日の昼食などにいいかも。

隊員の皆を夢中にさせた具沢山の豚汁とおにぎりで満たされた気持ちになりつつ、今回もごちそうさまでした。

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  • この記事を書いた人

宵闇

作者の心情や時代背景などを頭でっかちに考察しつつ、物語や歴史に登場する料理を作っています。お仕事のご依頼等については、お問い合わせフォームもしくはinfo@saigengohan.comよりどうぞ。

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