映画『ティファニーで朝食を』の原作者としても知られる作家トルーマン・カポーティは、社交界でも名の通っていた人物。彼の開催したパーティーの中でも、1966年の11月28日にニューヨークのプラザホテルで行われた「Black and White Ball」は特に有名で、20世紀最大の舞踏会だったと言われています。
その名の通りブラックもしくはホワイトの装いに、目元を隠す仮面の着用がドレスコードの仮面舞踏会だったこちらは招待客も錚々たるもので、ローレン・バコールにヘンリー・フォンダなどの俳優や映画関係者、アンディ・ウォーホルやレナード・バーンスタイン、フランク・シナトラといった各ジャンルのアーティストにキャサリン・グラハムやダイアナ・ヴリーランドら出版業界の有名人、それに政治家や各国の王族・貴族などなど総勢500人以上……
当時の名だたるセレブリティたちが招かれたパーティーはプラザホテルのグランドボールルームで行われた盛大なもので、開催にあたって使われた金額は現在の価値に換算すると1700万円以上にも上ります。
ただゴージャスな面々が集い、400本以上のテタンジェのヴィンテージシャンパンが開けられた豪華なパーティーではあったものの、そのデコレーションや晩餐自体はシンプルだったそう。
ディナーメニューは今回ご紹介するバジルチキンハッシュをはじめ、スパゲッティボロネーゼにペストリー、コーヒーとたしかに豪華なパーティーを彩る料理にしては質素な印象ですが、チキンハッシュは当時プラザホテルの名物であり、カポーティ自身の好物でもあった料理。
カポーティはこの舞踏会をして「“just a party for the people I like”(ただ私が好きな人たちのために開いたパーティーにすぎない)」と言っていたそうですから、ゲストには心安らぐ素朴な料理をリラックスして楽しんでもらいたかったんでしょうね。
参考:https://wwd.com/feature/truman-capote-black-white-ball-1236153974/
https://www.vogue.com/slideshow/gloria-steinem-coverage-of-truman-capote-black-and-white-ball-1967
材料と作り方
カポーティのお気に入り|仮面舞踏会のバジルチキンハッシュ
材料
- 鶏肉の下味用
鶏肉_2枚(400g程度・モモでも胸肉でもお好みで)
バジルの葉_6枚ほど(半量はみじん切り、残りはちぎって仕上げ用に)
チューブにんにく_2cm分程度
塩こしょう_適量
- 具材用
じゃがいも_2個
ピーマン_2個
パプリカ_1/2個
玉ねぎ_1/2個
にんにく_1片
オリーブオイル_大さじ1
トマトペースト_大さじ1
パプリカパウダー_小さじ1
塩こしょう_適量
作り方
- 鶏肉の下準備
- 鶏肉の表面にまんべんなくフォークを刺し、塩こしょうとチューブにんにく、みじん切りにしたバジルの葉をまぶしつけてフリーザーバッグに入れ、最低30分は冷蔵庫で休ませる
- フライパンでオリーブオイル(分量外)を温め、皮目を下にした鶏肉を強めの中火で5分ほど焼く
- 上下を返して蓋をし、3-4分ほど焼いて火を通す(肉の中心に竹串を刺してみて、透明な汁が上がってくれば中まで火が通っているサイン)
- 粗熱が取れたら1cm大ほどのサイズにカットしておく
- 仕上げ
- 玉ねぎ、パプリカ、ピーマンは角切り、にんにくはみじん切りにしておく
- じゃがいもは1cm大ほどの角切りにして洗い、軽く水を切って耐熱容器に入れ、600Wのレンジで3分ほど加熱しておく
- フライパンでオリーブオイルを熱し、じゃがいもと玉ねぎを中火で10分ほど炒める
- 全体にこんがりと焼き色がついてきたら一旦取り出し、同じフライパンでパプリカとピーマン、にんにくも入れて5分ほど炒める
- トマトペーストとパプリカパウダーを加えたら、取り出しておいたじゃがいもと鶏肉を戻して2-3分ほど炒め、塩こしょうで味を整える
- ちぎったバジルを加えてざっくり混ぜたら火を止め、皿に盛り付けて出来上がり