「مَقْلُوبَة(マクルーバ・マクルーベ)」は、中東のレバント地方などを中心に食べられている炊き込みご飯のような料理。アラビア語で「逆さまの」を意味するその名の通り、肉や野菜などの具材と米を層状に重ね、鍋で炊き込んだ後ひっくり返して皿に盛り付けサーブします。
具材には鶏の手羽元や羊の肉を使い、また揚げ焼きしたカリフラワーやなす、トマトなどの野菜も彩りよく配置してケーキのように仕上げることが多いそう。
風味づけに使うバハラット(スパイスの意味)は地域によって配合が少しずつ異なり、レバノンではシナモン・クミン・コリアンダー・カルダモン・ナツメグ・クローブ・ブラックペッパーなどからなる「7つのスパイス」がよく用いられるようです。
本格的にしたいならもちろんバハラットがおすすめですが、スパイスが揃わないならお手持ちのミックススパイスやカレー粉で作ってみるのもアリ。
ジャスミンライスで炊けばそれだけで香りも良いですし、見た目も豪快でエキゾチックなムードたっぷり。おもてなしや特別な日のごちそうとして出せば食卓が盛り上がりそうですね。
材料と作り方
中東のレイヤーケーキ風炊き込みご飯|マクルーバ
材料(2-3人分)
手羽元_300g
なす_中2本
玉ねぎ_1/2個
カリフラワーかブロッコリー_1/2株ほど
パプリカ_1/2個
米_1.5合分(インディカ米ならジャスミンライスがおすすめ)
水_1+1/2カップ
オリーブオイル_大さじ1
塩_小さじ1
- 7スパイス用(お好みのミックススパイス小さじ2程度に代えてもOK)
シナモン_小さじ1/2
クミン_小さじ1/2
カルダモン_小さじ1/2
コリアンダー_小さじ1/2
ナツメグ_小さじ1/4
クローブ_小さじ1/4
こしょう_小さじ1/8
- トッピング用
カシューナッツなどのナッツ類_お好みで
パセリやパクチーなど_お好みで
作り方
- 米は軽く洗ってざるに上げ、水気を切っておく
- なすは7mmほどの厚さの斜め切り、パプリカは輪切り、玉ねぎは繊維を断ち切るようにスライスし、カリフラワーは小房に分けておく
- なすとカリフラワーに少量のオリーブオイル(分量外)をまぶし、トースターなどで5分ほど焼いて焼き色をつけておく
- 深鍋でオリーブオイルを温め、中火で手羽元を焼く
- 肉に焼き色がついてきたら玉ねぎを加えて炒める
- 玉ねぎがしんなりしたらスパイスを全て入れて1-2分ほど軽く炒め、水と塩を加えて蓋をする
- 沸騰したら弱火に落とし、15分ほど加熱して煮汁ごと別の容器に移しておく(鍋は洗わず、軽くキッチンペーパーで拭いておく)
- 7の鍋底の中央にパプリカ、その周りをぐるっと囲むようになすを並べたら、カリフラワーと煮汁から出した肉と玉ねぎを重ねる
- 米を加えて静かに煮汁を注ぎ、表面を平らに整えたら中火にかける
- 沸騰したら弱火に落として蓋をし、15分ほど加熱する
- 水分がなくなってきたら火を止め、蓋をしたまま15分蒸らす
- 鍋の側面からぐるりとヘラを入れ、鍋肌に米が張り付いていないことを確認したら皿を被せてひっくり返す
- 形を整え、砕いたナッツやパセリを飾って出来上がり
ポイント
- ある程度米に粘り気がないと鍋をひっくり返す際に形が崩れやすいため、インディカ米なら比較的粘りのあるジャスミンライスが扱いやすくおすすめ。バスマティライスは粘りが特に少ないので、使うなら事前に浸水が必要です。30分ほど水に漬け、ざるに上げておきましょう。
- 水気たっぷりな日本のトマトは加熱で形が崩れやすいので、赤い色で彩りを加えたいなら炊き上がった後に乗せるか、パプリカを使うときれいに仕上がります。