スマートな女たちによる、大胆で華やかな犯罪計画を描いた『オーシャンズ8』。今回は本作の主人公デビー・オーシャンが、相棒に初めて計画を打ち明けるシーンに登場するポテトパンケーキ「ラトケス」を再現します。
二人が食べていたラトケスは、NYの老舗ウクライナ料理店で実際に提供されているもの。果たしてどんな味なんでしょうか?
デビーが計画を初披露したレストランで食べていた料理とは?
老舗ウクライナ料理店でも人気のポテトパンケーキ「ラトケス」
今回再現する料理は主人公のデビーが出所し、相棒のルーにはじめてMETガラでの大々的な犯罪計画を打ち明けるシーンで登場していたもの。
デビーがナイフで切りながら口に運んでいた、パンケーキみたいな食べ物ですね。
このシーン、デビーが自分の皿から一口取って、ルーにあーんと食べさせているところが記憶に残っている人も多いんじゃないかと思います。
このとき二人が食事をしていたレストランは、ニューヨークのイーストヴィレッジに実際にあるお店。
1954年創業のべセルカというウクライナ料理のレストランで、手頃な価格とアットホームなサービスで地元でも人気です。
べセルカは各種メディアでも紹介されており、休日には行列もできるほどだそう。宝飾品だけでなく、美味しいものにも目ざとそうな二人に選ばれるのも納得かなと。
そんなべセルカで二人が食べていたパンケーキのような食べ物は、「ラトケス」と呼ばれるポテトを使った料理。
じゃがいもと玉ねぎが入った生地を油で揚げ焼きしたもので、ユダヤ教の光の祭事「ハヌカ」の際に食べる料理としても知られています。
ちなみにハヌカとは紀元前165年に当時ユダヤ教を弾圧していたギリシア系の王朝・セレウコス朝の追放により、エルサレム神殿が解放された日を記念した祭事。
神殿は解放されたものの、祭壇を照らす燭台に用いる油は1日分しか残っていなかったそうですが、それでも燭台の炎は8日もの間燃え続けていたのだとか。
この奇跡にちなんで、ハヌカの際には油で揚げた料理を食べてお祝いするのが習わしなのだそうです。
宗教的な祭事と一緒にするのは不謹慎かもしれませんが、これから彼女らが起こす数々のミラクルを思わせるような気が、ちょっとしなくもないですね。
参考:https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/20/121100733/?P=1
https://www.myrtos.co.jp/info/judaism03.php#Q9
材料・調理法の考察
べセルカのラトケスについては写真などを見る限り、オーソドックスなじゃがいもと玉ねぎの入ったタイプだと思われます。
サワークリームとアップルソースを添えているのも定番のスタイル通りといった感じなので、伝統的なラトケスの作り方を参考にすれば問題なさそう。
私の別ブログでも何回か登場していますが、欧米のアップルソースって多くは甘くないあっさりしたものなので、今回もそれを踏襲しましょう。
さくっと方向性が決まったので、今回も調理スタートです。
ラトケスを作ってみよう
オーシャンズ8|不可能を可能にするラトケス
材料(φ7cm大で約10枚分)
- ラトケス用
じゃがいも_中2個(200g程度)
卵_1個
玉ねぎ_1/2個
小麦粉_大さじ3
塩_2つまみ
こしょう_少々
オリーブオイル_大さじ2
- アップルソース用
りんご_1個
レモンジュース_小さじ1
- その他の材料
水切りヨーグルト_お好きなだけ
作り方
- アップルソースの準備
- りんごは皮を剥いてスライスし、耐熱容器に入れレモンジュースをまぶしておく
- 600Wのレンジで5分ほど熱し、一度取り出してひと混ぜ。さらに5分加熱する
- ピュレ状になるよう果肉をフォークなどで潰せばソースの完成
- ラトケスの準備
- じゃがいもと玉ねぎは2-3mm幅ほどの千切りにするか、チーズおろしなどで細かくおろしてざるなどに上げ、15分ほど置いて軽く水を切っておく
- ボウルに1と小麦粉・卵・塩こしょうを入れ、よく混ぜ合わせる
- フライパンでオリーブオイルを熱し、φ7cm大(大さじ2杯分程度)に広げた生地を中火で片面2-3分ほどずつ揚げ焼きにする
- 両面にこんがりと焼き色がつけば出来上がり。アップルソースと、サワークリーム代わりの水切りヨーグルトを添えて召し上がれ
食後のヒトコト
かりっと香ばしく焼けた表面に、ほくほくの中身のコントラストがたまらない……。
サワークリーム代わりの水切りヨーグルトの酸味と、アップルソースのほのかな甘みもいいアクセントになっています。
ポテトを使ったパンケーキだと、すりおろしと茹でて潰したじゃがいもを使うアイルランドの「ボクスティ」も好きですが、ラトケスは玉ねぎの風味が効いているのがいいですね。
新玉ねぎを使ったのもあって今回は小麦粉の量を多めにしましたが、じゃがいもと玉ねぎをおろした後に水気をしっかりと絞り、小麦粉の量も減らして作るのもおすすめ。ザクザクっと揚がったポテトの食感がより味わえます。
これを食べれば彼女らのように、スマートかつゴージャスに仕事や勉強を進められるかも? そんなことを思いながら、今回もごちそうさまでした。