今回はシリーズ第一作『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』から、主人公のニュートが出会うアメリカの魔女・クイニーお手製のアプフェルシュトゥルーデルを再現。
お料理大好きなクイニーが魔法で作っていたりんごのパイ菓子、果たしてどんな味がするのでしょうか?
クイニーが魔法で作っていたお手製菓子とは
りんごたっぷり・極薄のパイ皮に包まれた伝統菓子「アプフェルシュトゥルーデル」
アメリカの魔女姉妹、ティナ・クイニーの自宅でニュートたちに振るまわれたのは、紙のように薄く伸ばした生地でりんごのフィリングを包み焼き上げた「アプフェルシュトゥルーデル(アップルシュトゥルーデル)」というお菓子。
ドイツやオーストリア、ハンガリーを中心に食べられている、アップルパイの仲間みたいな感じの伝統菓子ですね。
クイニーの魔法でお皿やカトラリーが宙を舞い、りんごやレーズンがひとりでにシュトゥルーデルに仕上がっていく様子はとても魅力的。
ノーマジ(非魔法族)のジェイコブでなくとも見惚れてしまいそうな素敵なシーンでした。
材料・調理法の考察
さて、クイニー・ティナ姉妹のファミリーネームである「Goldstein(ゴールドスタイン)」はドイツ語圏のユダヤ系の人たちによく見られる苗字。
魔法で作っているとはいえ、レシピやパイの飾りもきっと家族ごとに違うはず。このアプフェルシュトゥルーデルも、代々伝わってきた料理なのかなと思います。
そんなアプフェルシュトゥルーデル。
生地から用意するとそれなりに手間がかかるので、今回は現代の魔法・冷凍技術が使われたパイシートの簡単バージョンで作りましょうか。
冷凍パイシートをシュトゥルーデル生地に使う際の注意点は、通常のパイを焼き上げる時のように膨らまさないこと。
通常、冷凍のシートを使う際には生地に折り込まれたバターの層を乱さないよう解凍を冷蔵庫で行い、オーブンに入れるまでなるべく冷たい状態を保つのが良しとされますが、今回それを守る必要はなし。
むしろ層状に膨らんでほしくないため解凍は常温で。生地もめん棒でよくのして、きっちりしっかり薄ーく伸ばして使うことにします。
フィリングはりんごのほか、アプフェルシュトゥルーデルの具としてよく加えられるレーズンとくるみも入れて。
もろもろ出揃ったので、今回もさっそくスタートです。
アプフェルシュトゥルーデルを作ってみよう
ファンタスティックビースト|クイニーのアプフェルシュトゥルーデル
シュトゥルーデル生地を包むのにオーブンペーパーが必要です
材料(4人分)
- りんごのバラ用
りんご_ 1/2個
砂糖_大さじ1
レモン果汁_小さじ1
- シュトゥルーデル生地用
冷凍パイシート(10×18cmサイズの角型タイプの場合)_2枚
- フィリング用
りんご(生食に向いた品種でOK)_1個
バター_20g
レモン果汁_大さじ1/2
くるみ_40g
レーズン_大さじ3(30gほど)
ブランデー(レーズン戻し用)_小さじ1
水(レーズン戻し用)_大さじ1
砂糖_大さじ2+1/2
片栗粉_小さじ1/2
シナモン_3-4ふりほど
パウダーシュガー_適量
作り方
- りんごのバラの準備
- りんごは皮つきのまま4等分にし、包丁を垂直に入れ芯の部分を切り落として1mm厚程度にスライスしておく
- 耐熱容器にりんごを入れて砂糖とレモン果汁をまぶし、600Wのレンジで1分半-2分ほど加熱する
- 粗熱が取れたらりんごスライスを重ねて巻き、バラの花のように形作れば完成
- シュトゥルーデル生地の準備
- パイシートは常温に30分-1時間ほど置いて解凍しておく
- オーブンペーパーの上でパイシート2枚をつなぎ合わせて圧着し、後ろが透けて見えるくらいの薄さになるまでめん棒で伸ばしておく
- フィリングの準備
- 耐熱容器にレーズンとブランデー・水を入れ、600Wのレンジに40-50秒ほどかけて戻しておく
- りんごはいちょう切りにし、くるみは細かく刻んでおく
- フライパンでバターを熱し、りんご・くるみ・レーズン・レモン果汁・砂糖・シナモンパウダーを加えて中火で炒める
- りんごがしんなりし、汁気があらかた飛んだら片栗粉を入れてひと混ぜし、とろみがつけばフィリングの完成
- 仕上げ
- オーブンは200℃で予熱しておく
- フィリングの粗熱が取れたら生地の上に広げ、中身が出ないよう両端を少し折り込んでからオーブンペーパーごと巻き上げる
- オーブンの中段で20-30分ほど焼き、冷めたらりんごのバラを載せ、パウダーシュガーを振りかけて出来上がり
ポイント
- りんごのバラを巻く際、巻きはじめは小さめのスライス→だんだんと大きなスライスというように重ねるとバラの花らしく仕上がります
食後のヒトコト
レーズン・くるみを加えたりんごのフィリングは甘すぎず、薄く薄くを意識して仕上げたパイ皮も軽いため、重くないあっさりとしたアップルパイという感じ。
全体に軽いので、お好みでホイップクリームやアイスクリームを添えていただくのも良さそうです。
本作でも印象に残るクイニーのお料理シーンでしたが、彼女とジェイコブの食事風景についてはシリーズの2作目『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』でも描かれています。
とある理由で画面がはっきりと映らないシーンなのですが、そこで食べられているのはどうやらハリーポッターシリーズにも登場しているシェパーズパイっぽい。
ハリーポッターと秘密の部屋|魔法魔術学校風シェパーズ・パイ
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ハリーたちが食べていたのは育ち盛りの子どもたち向け! といった感じで大きな器にどさっと盛られていましたが、クイニー作のシェパーズパイはきれいに絞り出したマッシュポテトを飾っているのがとても彼女らしい。
キャラクターの個性がちらりと覗き見えたりするので、食事のメニュー一つとっても見逃せませんね。