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アメリ|「ガラス男」のヴァン・ショー

気がつけば、1年の最後の月までもうあとわずか。そんなこの時期に再現するのは、2001年のフランス映画『アメリ』に登場するヴァン・ショーです。

スパイスを加えたホットワインは、心も身体も温めてくれる優しい味。クリスマスを迎えるこれからのシーズンにもぴったりですよ。

アメリの隣人・画家のおじさん手作りのヴァン・ショーとは

フランスの冬の定番・スパイス入りの温かいワインドリンク

今回再現するヴァン・ショー(Vin chaud=仏語で熱いワインの意味)が登場するのは、主人公のアメリがアパルトマンの自室で見つけた、40年前の少年の持ち物を主に返そうと苦心している最中のこと。

「ブルドトー」元少年探しに苦心する彼女を見かねて声をかけたのは、同じアパルトマンの住人である画家のおじさん、通称「ガラス男」でした。

探している人物の名は「ブルトーではなくブルドー」なのだと教えてくれたおじさんが振る舞ってくれたのが、この熱々のスパイス入りワイン。

手際よくキッチンで用意され、素朴なガラスマグに注がれるそれは、画面からも温かく優しい雰囲気が伝わってきます。

元少年探しに奔走し、疲れ切ったアメリには特にありがたい飲み物となったことでしょうね。

材料の考察

さて、伝統的なヴァン・ショーについては、スパイスとしてシナモン・ジンジャー・ナツメグ・スターアニス・カルダモン・クローブなどを使うのがお決まり。

本場フランスのレシピでも、この中から数種を組み合わせて加えていることが多い印象です。

ヴァン・ショーにも白ワインを使ったり、ベリーやりんごを入れたりとさまざまな作り方があるようですが、ガラス男ことデュファイエルおじさんのそれは、おそらく最もトラディショナルなタイプ。

なので奇をてらったことはせず、赤ワインにオレンジ、スパイスとしては最もよく使われるジンジャー・シナモン・ナツメグ・クローブを加えて煮出すのがそれっぽいかなと思います。

なお、ワインについては熟成が進んだタンニン多めのタイプは避け、渋みの少ない若くてフルーティーなものを選ぶのが美味しく仕上げるコツだとか。

コンコード種などのぶどう果汁100%ジュースを使ってノンアルコールのヴァン・ショーを作ることもでき、作る際の手順も変わりません。

どちらにせよ、特に高価なワインやジュースは必要なし。飲み残しのテーブルワインなどがあれば、それを使っても良さそうです。

ヴァン・ショーを作ってみよう

アメリ|「ガラス男」のヴァン・ショー

材料(2人分)

  • 赤ワインもしくはぶどうジュース 400ml

  • オレンジ 1/2個

  • しょうが 1/2片

  • クローブ 2-3ふりほど

  • ナツメグ 2-3ふりほど

  • シナモンスティック 2本

  • はちみつ お好みで

作り方

  • しょうがはスライスし、オレンジは薄めの輪切りにしておく
  • 小鍋に材料を全て入れ(オレンジスライスは飾り用に何枚か残しておく)、沸騰させないよう注意しつつ弱火で15分ほど煮る
  • グラスに注ぎ、シナモンスティックとオレンジスライスを添えて出来上がり。お好みではちみつを加えて召し上がれ

ポイント

  • ナツメグやクローブの代わりに、カルダモンやアニスを入れるレシピもあります。組み合わせを試して好みの配合を見つけるのも楽しそうですね。

食後のヒトコト

甘くやわらかな果実と、スパイスの香りが部屋中に広がってなんとも幸せな気持ちに……。

私は下戸なので今回はグレープジュースを使ったノンアルコールバージョンで作ったのですが、ワインだとアルコールの作用でより香りが広がりそうです。

そもそもが熱くしていただく飲み物ですが、シナモンやしょうがのおかげでよりぽかぽか。芯から温まる感じ。

これからますます寒くなる季節にぴったりですね。

なお、日本にいながらアメリが暮らすパリの雰囲気を味わいたいなら、神楽坂の街をお散歩してみるのもおすすめ。

カフェクレープリー ル ブルターニュ 神楽坂店

ワインメニューも多く、冬季にはヴァン・ショーの取り扱いも。定番のメニューではないため要確認ですが、クレープとワインという、大変フランスらしい組み合わせを楽しめます。

神楽坂は在住のフランス人も多く、風情のある街並みから「東京のリトルフランス」なんて呼び名もある街です。

美味しいフレンチレストランはもちろん、フランスの食材や雑貨・書籍を扱うお店も。

石畳の路地裏に迷い込んだら、アメリのように不思議な素敵に出会えるかもしれません。

人生の冒険の途中で迷ったら、心と身体を温めてくれる素敵な飲み物で一休みするのもいいかななんて思いながら、今回もごちそうさまでした。

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  • この記事を書いた人

宵闇

作者の心情や時代背景などを頭でっかちに考察しつつ、物語や歴史に登場する料理を作っています。お仕事のご依頼等については、お問い合わせフォームもしくはinfo@saigengohan.comよりどうぞ。

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