今回は青山剛昌先生の大人気推理漫画『名探偵コナン』から、同作に登場する喫茶店「ポアロ」のモーニングメニューを再現。
安室透さん特製「ミートボールとキャベツのミルクトマト煮」中心のモーニングセットは、モーニングの域を超えた豪華な内容です。贅沢な朝食タイムを味わえるため、ファンならずともぜひお試しを!
『ゼロの執行人』のプレストーリーに登場!安室さん特製の喫茶メニューとは
「ミートボールとキャベツのミルクトマト煮」が豪華なモーニングセット
今回再現する喫茶ポアロのモーニングメニューは、アニメのシーズン23・第898話『ケーキが溶けた!』に登場するもの。
原作には無いアニメオリジナルのお話でシリアスな事件ではないのですが、映画『名探偵コナン ゼロの執行人』に続くプレストーリーとなっているのが特徴的です。
探偵の助手兼ポアロのアルバイト店員に黒ずくめの組織の構成員、それに公安警察の捜査官というトリプルフェイスの顔を持つ安室透さん特製の「ミートボールとキャベツのミルクトマト煮」が中心のモーニングセットは、あつあつの煮込みに野菜サラダや分厚いトースト、それにスマイルカットのオレンジも添えられた豪華版。
モーニングサービスの域を超えた盛りだくさんな内容に、常連の小五郎さんも目を輝かせていましたよね。
材料の考察
画面にちらりと登場するミルクトマト煮を見ると、名前通りトマトベースっぽい色のスープに、ころんとしたミートボールとキャベツが浮かんでいるのが分かります。
ただ、ちょっと謎なのがスープの色合い。安室さんがかき混ぜる鍋の中身はもちろん、モーニングプレートにセットされた煮込みを見ても、青みを帯びたマゼンタ系のピンクなんです。
ミルクとトマトだけでマゼンタピンクの色合いは出ないと思うけれど、一体何を入れているんだろう……?
鍋の中にはキャベツの緑が見えているので紫キャベツではなさそうだし、パプリカパウダーだともっと黄みを帯びた色合いになるしでこれも違うなあ。
となると、当てはまりそうなのはボルシチなどによく使われるビーツ。
鮮やかな紫がかった赤色が出るため該当しそうですが、喫茶店のモーニングメニューで使う食材としてはちょっと単価が高いような……。
ナイト・ガーディアンズ|血を思わせる真っ赤なボルシチ
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他の具材などについてもさらに手がかりが欲しいところですし、まずは過去にレトルトシチューとして商品化された「ミートボールとキャベツのミルクトマト煮」をチェック。
販売元のアイアップのページから、原材料を確認してみることにしましょう。
最初はメインの具材であるミートボールについて。
ミートボールだし、勝手に豚か牛豚の合い挽き肉かと思っていましたが、安室さんのレシピでは鶏肉を使うんですね。肉については鶏に決定と。
次はミートボール以外の材料。料理名にもあるようにキャベツやトマトが入っているのは当然として、ちょっと気になるのは「ラック」という着色料の存在です。
赤に着色するための食用天然色素としてコチニールは有名ですが、ラックもコチニールと同様に赤系統の色を出せる天然色素。
劇中の煮込みの赤っぽい色合いを強調するため加えられているのでしょうが、コチニールより青みを帯びた赤色を出しやすいラックが使われているのには理由がありそうです。
でも喫茶店の煮込みメニューで着色料を加えることってあまりないでしょうから、ここはやはり赤紫系の色が出やすい食材を使っていると考えるのが自然かなあ。
原作やスピンオフ作品『名探偵コナン ゼロの日常』
毎回となると喫茶店ではコストが気になりそうですが、この日だけの特別メニューならあり得る話なので採用。ビーツを加えた「ミートボールとキャベツのミルクトマト煮」、さっそく作っていきましょう。
参考:https://www.eyeup.co.jp/c/goods/gr5/gr25/gr58/4546598511987
https://kobeche.co.jp/tech_cat/coloring-details/
ミートボールとキャベツのミルクトマト煮を作ってみよう
名探偵コナン|喫茶ポアロのモーニング「ミートボールとキャベツのミルクトマト煮」
材料(4人分)
- ミートボール用
鶏ひき肉_400g
玉ねぎ_1/4個
卵_1個
パン粉_大さじ2-3
白ワインもしくは酒_大さじ1
ドライバジル_小さじ1/2
オレガノ_小さじ1/2
塩_ひとつまみ
こしょう_適量
片栗粉_適量
- スープ用
キャベツ_1/4玉
下茹でしたビーツ_150g程度(水煮缶でもOK)
にんにく_1片
カットトマト_1缶
水_1カップ
牛乳_150ml
コンソメキューブ_1個
ローリエ_1枚
塩こしょう_適量
- その他の材料
きゅうりとプチトマト、ベビーリーフのサラダ
スマイルカットにしたオレンジ
4枚切りの食パン
淹れたてのコーヒー
作り方
- ミートボールの準備
- 玉ねぎはすり下ろすか、ごく細かなみじん切りにしておく
- 大きめのボウルにミートボールの材料を全て加え、粘りが出るまでよく練って肉ダネを作る
- 手にサラダ油を塗って肉ダネを一口サイズに丸め、全体に片栗粉をまぶす
- 多めのサラダ油(分量外)を引いた深鍋で肉ダネを転がすようにして焼き色をつけ、いったん取り出しておく(鍋は洗わずそのままで)
- スープの準備
- キャベツはざく切り、ビーツは千切り、にんにくはみじん切りにしておく
- ミートボールを焼いた鍋にキャベツとにんにくを入れ、中火で炒める
- キャベツがしんなりしたらミートボールを戻し、水・カットトマト・コンソメ・ローリエも加えて中火にかける
- 沸騰したらアクをすくい、弱火に落として15分程度煮たら、ビーツを入れて5分ほど加熱する
- 牛乳を加えてさらに5分程度煮たら、塩こしょうで味を整え出来上がり。厚切りトーストやサラダを添え、淹れたてのコーヒーと一緒に召し上がれ!
ポイント
- ビーツの色素であるベタレインは加熱で色が褪せやすいため、劇中のような鮮やかなマゼンタカラーを出したいなら煮込み時間はなるべく短くするのがポイントです。
- こちらはミートボールを焼く工程を省いてスープにそのまま投入し、簡単・ヘルシーに作ることも可能。ただしミートボールの色は白っぽいままなので、再現度を高めたいならスープが絡みやすいよう片栗粉をかけ、しっかり焼き色を付けるのがおすすめです。
- レシピの分量よりミルクを多めにすると、よりアニメの色合いに近いピンクになります。色的には好みが分かれるところかと思いますので、ほどほどに……。
食後のヒトコト
酸味のあるトマトにコクのあるミルク、それにビーツの甘みが加わった煮込みは爽やかながらまろやかで優しいお味。
あっさりしがちな鶏肉のミートボールには風味づけのハーブを加え、片栗粉を振ってこんがり焼きあげているため、物足りなさもありません。
見た目もちょっと一筋縄では行かないような感じで、こだわりの強そうな安室さん仕様になったのではないでしょうか。ビーツ入りなので、体にも良いですし。
ところで今回のミルクトマト煮に限らず、ポワロの食事メニューって結構安室さんが考案していますよね。私も学生時代に個人経営の喫茶店でアルバイトをしていたことがありますが、お店のメニュー考案まで任せてもらえるってなかなかないよなあと。
3つの顔を完璧に使いこなす男、さすがですね。