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自動車王のおすすめ大豆料理|ソイミートローフ

1908年の10月1日は自動車の歴史に革命を起こしたエポックメイキングな名車、T型フォードが登場した日。

この日にちなんで再現するのはフォードの生みの親、自動車王として名高いヘンリー・フォード推薦の大豆料理です。

自動車王が注目した「大豆」とは

食べてよし・使ってよしの有能素材「大豆」

停車中のT型フォード

自動車の歴史に革命を起こしたフォードモーターの創設者、ヘンリー・フォードについてはさまざまな逸話が残されていますが、「大豆」との関わりが深かったのも面白い話。

フォードが活躍した20世紀はじめ頃のアメリカは、ちょうどタンパク質と油分を多く含む大豆の原料素材としての有用性が発見された時代でした。

大豆を使用した製品の開発研究も国をあげて盛んに行われており、食品だけでなくペイント剤やワニス、石鹸などさまざまな製品が誕生。

手のひらいっぱいの大豆

フォードも例に漏れずこの流れに乗り、後には大豆由来の原料を使用した「ソイビーンカー」なるものの開発に着手したりしています。

もちろん食品としての大豆にも注目しており、特に1930年代には大豆を使用した食品について積極的に宣伝していたとのこと。

今回再現する料理もその一つで、1939年にフォードモーターから出された小冊子に掲載されているものです。

参考:https://ncsoy.org/media-resources/history-of-soybeans/

http://www7b.biglobe.ne.jp/~rakusyotei/daizu82.html

https://www.thehenryford.org/collections-and-research/digital-resources/popular-topics/soy-bean-car/

フォードの大豆料理レシピからメニューをチョイス

パンやスープ・サラダにクッキー・ケーキ・マカロンにソイビーン・カスタードなど、実にさまざまな料理が掲載されているフォードの公式レシピ集。

「Soy loaf(大豆ミートローフ)」については3つのバリエーションが紹介されていますが、今回作るレシピの材料は以下の通り。

  • 大豆水煮
  • パン粉
  • 牛乳
  • すりおろし玉ねぎ
  • バター
  • セロリソルト

一見すると、ミートローフで使うひき肉の部分をそっくり大豆と置き換えている感じ。

卵やバターが使われているので、完全なヴィーガンフードというわけではないんですね。言うなればフレキシタリアンフードといったところ。

植物性食品を中心にしつつ、動物性食品も柔軟に摂取するスタイルのこと。

フォードがこのレシピを出した狙いも大豆、ひいては大豆製品の宣伝と普及のためで、菜食の人に向けたメニューではないから当然といえば当然なんですが。

この中であまりメジャーでないのはセロリソルトでしょうか。セロリシードと塩をブレンドした調味料ですが、これはセロリの葉+塩で代用できそう。

あとの材料はごくごく一般的。分量だけ作りやすく調整して、さっそく取り掛かってみましょう。

大豆のミートローフを作ってみよう

柔らかい仕上がりのため、
切り分けてからレンジで軽くあたためるのがおすすめ。

自動車王のおすすめ大豆料理|ソイミートローフ

材料(18cm程度のパウンド型1つ分)

  • 大豆水煮 2カップ

  • パン粉 1/2カップ

  • 卵 2個

  • 牛乳 1/2カップ

  • 水 1/2カップ

  • 玉ねぎ 中1/8個

  • セロリの葉 ひとつかみ

  • バター40g

  • 塩 小さじ1/4

  • ソース
  • ケチャップ 大さじ1

  • ウスターソース 大さじ1

作り方

  • オーブンを200℃で予熱しておく
  • バターは室温に戻し、混ぜやすくしておく
  • 玉ねぎはすりおろし、セロリの葉はみじん切りにしておく
  • 大豆の水煮は水気を切り、マッシャーでしっかりと潰す(滑らかにするならフードプロセッサー推奨)
  • ボウルに材料を全て入れ、むらなく混ぜる
  • 型にサラダ油(分量外)を塗って材料を流し込み、オーブンの中段で30-40分ほど焼く
  • オーブンから取り出し、型に入れたまま1時間以上置いて冷ます(焼き立ては崩れやすいので注意)
  • 冷めたら切り分け、ケチャップとウスターを合わせたソースをかけて召し上がれ

ポイント

  • ソイミートローフはオーブンではなく、炊飯器でも焼くことができます。オーブンのように焼き色をチェックしにくいのは難点ですが、通常炊飯で二度炊きを行うとちょうど良い様子ですのでご参考にどうぞ。

食後のヒトコト

材料も肉を大豆に変えただけですし、出来上がりの姿はかなり焼き色薄めのミートローフといった感じ。

ただ、当たり前ですが食べてみると違いは明らかですね。ミートローフのような肉っぽさは期待できません。

でも生地に卵にミルク・バターも加えているのでコクがありますし、セロリや玉ねぎで香りもよく味わい豊か。

ミートローフの代替品としてではなく、まったく別の食べ物としていただくのがいいですね。普通に美味しいので。

なお、今回のレシピではセロリの葉を使いましたが、セロリソルトやセロリシードがあるならそちらで作るのもおすすめ。

比較のためセロリソルトでも作ってみたのですが、生の葉だと優しく香る程度なのに対し、セロリソルトではしっかりとした香りとほろ苦さも加わります。

好き嫌いが別れるところだと思いますから、お好みに合わせてどうぞ。

フォードの時代には地球環境を考えてのことではなかったものの、プラントベースやミートフリーの食品に注目が集まる今考えると、かなり先進的なレシピに思えますね。

意図せず時代を先取りした偉大なる先人に思いを馳せつつ、今回もごちそうさまでした。

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  • この記事を書いた人

宵闇

作者の心情や時代背景などを頭でっかちに考察しつつ、物語や歴史に登場する料理を作っています。お仕事のご依頼等については、お問い合わせフォームもしくはinfo@saigengohan.comよりどうぞ。

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