今回再現するのは、ディズニー映画『塔の上のラプンツェル』の劇中に名前が登場するヘーゼルナッツのスープ。
名前しか登場しないけれど、主人公ラプンツェルの好物として気になっている人も多いはず。サツマイモの甘みにナッツの香ばしさが美味しいスープは、ミキサーやブレンダーなしで作れるのも魅力です。
ラプンツェルの大好物とは?
ゴーテル母さんお手製のヘーゼルナッツスープ
スープを飲んだり作ったりするシーンが登場する訳ではありませんが、『塔の上のラプンツェル』の主人公ラプンツェルの好物としておなじみなのが、この「ヘーゼルナッツのスープ」です。
ゴーテル母さんのレシピだと、ヘーゼルナッツスープはヘーゼルナッツに白っぽい色をしたニンジンの仲間「サトウニンジン(パースニップ)」を加えて作るそう。
アメリカのディズニー公式のレシピではかぼちゃの一種スクワッシュとパースニップに、ヘーゼルナッツをトッピングしたスープも紹介されています。
2021年には作品の公開10周年を記念し、スープにちなんでヘーゼルナッツを使ったクッキーやパウンドケーキなどのコラボ商品がコンビニに登場。スープではなくとも、本作の食べ物といえば「ヘーゼルナッツ」をイメージしている人も多そうですよね。
参考:https://news.disney.com/recipe/rapunzels-squash-hazelnut-soup
https://www.family.co.jp/company/news_releases/2021/20210212_01.html
材料・調理法の考察
本作の監督であるバイロン・ハワードとネイサン・グレノへのインタビューによると、『塔の上のラプンツェル』の舞台は1780年代のドイツとのことですが、調べた限りドイツの伝統料理にヘーゼルナッツのスープは無いようです。
代わりに、同じナッツの仲間である栗のスープ「Maronensuppe(マローネンズッペ)」は昔から親しまれている様子。家庭料理としてはもちろん、20世紀初頭には、王室の食事会メニューの一つとして出されたという記録も残っています。
栗のスープにパースニップが使われることもあるので、ヘーゼルナッツスープを再現するなら、マローネンズッペの作り方を取り入れると良さそうかな?
ただ残念なことに、日本ではパースニップってほとんど流通していません。プロ用の食材を扱う卸売の会社や、洋野菜専門の生産者さんから直接購入すれば買えないこともありませんが、それだと気軽に作れないですね。
では、何を代わりに使おうか……? 「サトウニンジン」と言うくらいだしニンジンが近いのでは? とも思いますが、加熱するとほくほくして甘いパースニップの味や食感は、むしろサツマイモが近い感じ。
白っぽい色合いもパースニップに寄せられるし、ミキサーなしでもマッシャーで潰せばポタージュ風にできるのも良さそうです。
決まり。今回は手に入りやすいサツマイモと、ヘーゼルナッツを使ってラプンツェルもお気に入りのスープを作ってみましょう。
参考:https://collider.com/byron-howard-nathan-greno-interview-tangled/
https://www.royal-menus.com/kaisers-4/7
ヘーゼルナッツスープを作ってみよう
塔の上のラプンツェル|ゴーテルのヘーゼルナッツスープ
材料(2-3人分)
サツマイモ_1本(200g程度)
玉ねぎ_1/2個(100g程度)
ヘーゼルナッツ_70g
水_2カップ
牛乳_2カップ
バター_10g
コンソメキューブ_1個
片栗粉_大さじ1(同量の水で溶いておく)
ナツメグ_2-3振り
塩こしょう_適量
- トッピング
ヘーゼルナッツ_7-8粒分(細かく砕いておく)
粗挽き黒こしょう_お好みで
作り方
- ヘーゼルナッツはすり鉢で細かくすりつぶしておく
- サツマイモは厚さ1cm程度の半月切りにして水にさらし、玉ねぎはみじん切りにしておく
- フライパンでバターを温め、玉ねぎを中火で3分ほど炒める
- 玉ねぎがしんなりしたらサツマイモを入れて3分ほど炒め、さらにヘーゼルナッツを加えて2分ほど炒める
- 水とコンソメを加えて中火にかけ、沸騰したらアクをすくい、弱火に落として15分ほど煮込む
- サツマイモが柔らかくなったら一旦火から下ろし、マッシャーなどで滑らかになるまで潰す
- 牛乳とナツメグを加えて5分ほど煮込み、水で溶いた片栗粉を加えてとろみをつける
- 塩こしょうで味を整えたら完成。砕いたヘーゼルナッツと、粗挽き黒こしょうを振りかけて召し上がれ
食後のヒトコト
ミキサーやフードプロセッサーなどを使わず、すり鉢とマッシャーのみで具材を潰したスープは粗ごしのポタージュといった雰囲気。
素朴な飲み心地で、ヘーゼルナッツの香ばしさに、サツマイモとミルクの甘みがとても優しい味わいです。
ラプンツェルとゴーテルが隠れ住む森の奥にはそれほど多くの調理器具も無さそうなので、今回は裏ごしせず素朴な田舎風スープに仕上げましたが、こし器に通しせば滑らかな舌ざわりで、おもてなし用にも良さそう。
プリンセスに憧れるお子さん方にもおすすめ。くせのない食べやすい味で、家族みんなに喜ばれると思いますよ。