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ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち|にんじんローフとグリーンピースのディナー

今回作るのは、ティム・バートン監督によるダークファンタジー『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』にちなんだ料理。

主人公の少年・ジェイクが招かれた奇妙な屋敷のディナーに登場する、巨大なにんじんローストにヒントを得た一皿です。

奇妙な屋敷で振る舞われるディナーとは?

まるでウェディングケーキ?!大きな大きなにんじんロースト!

イギリスのごちそうらしい雰囲気いっぱいのローストチキン

この料理が登場するのは、主人公のジェイクが祖父の遺した言葉を頼りに訪れた、ミス・ペレグリンの館でのこと。

子どもたち皆が集まるディナーのテーブルは、いかにもイギリスらしい設え。こんがりローストされたお肉が、食卓にどーんと乗っています。

でも館に住む奇妙な子どもたちと同じように、献立も普通ではありません。テーブルの中央にあるのは、3段になったレイヤーケーキのようなオレンジ色の巨大な塊。うずらの卵ほど大きさの、コロコロした緑色の野菜もたっぷり添えられています。

地面から顔を覗かせるにんじん

これらは全部、特殊な能力を持つ奇妙な子どもたちの一人・植物の成長を操るフィオナが大きくしたお野菜なんですね。

一見ケーキっぽいオレンジ色の塊は巨大なにんじん、マスカットのようにも見える緑の粒はグリーンピースと普通ではあり得ないビッグサイズ。

メニュー自体はオーソドックスなイギリス料理なのに、サイズのおかげで奇妙な館にふさわしい異質な存在感を放っていました。

材料・調理法の考察

巨大にんじんとグリーンピースの食事は原作には登場しないのですが、へんてこな野菜が鎮座するディナーはいかにもティム・バートン監督作らしい雰囲気。

普段よく目にするにんじんやグリーンピースも、サイズが大きくなるだけで不思議な印象になるものですね。

ただ、映画に登場するような巨大なにんじんを用意するのは難しいですし、にんじんをマッシュしてゼラチンで固める……というのもちょっと違うかなあという感じ。

物語の舞台は第二次大戦中のイギリスですから、再現料理として作るなら、時代背景も考えた要素が欲しいところ。

というわけで、当時の料理本をひも解いてみましょう。

『Cooking on a Ration(配給料理について)』のタイトル通り配給の食糧を有効活用すべく書かれたこちらには、限られた食材でも作れるレシピが満載。

当ブログでも過去に自動車王フォードご推薦の大豆ミートローフをご紹介していますが、くず肉や余り野菜を有効活用できるためか、「〜loaf」と名前のつくレシピは英米の節約系レシピで結構目にしますね。

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豆やアスパラガスを使ったものなど、あるわあるわ10種類以上ものバリエーション豊かな「〜loaf」が紹介されています。

本書はアメリカで書かれた本ですし、いわゆるアメリカ的なミートローフはイギリスだと現在でもマイナーなようですが、ミス・ペレグリンたち「インブリン」は世界中と繋がるループを自在に作り出せる存在。なので各地の料理になじみがあってもおかしくないはず……。

細かく刻んだ野菜に卵や豆をミックスすれば苦手な人でも食べやすくなるため、野菜を嫌がる子どもたちに向けた料理としてもアリな感じ。

決まり。今回はこの方向でいきましょう。

にんじんローフを作ってみよう

ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち|にんじんローフとグリーンピースのディナー

材料(φ20cm程度の型1台分)

  • にんじんローフ用
  • にんじん_1本

  • 乾燥レンズ豆_100g

  • マッシュルーム_3-4個

  • 卵_2個

  • にんにく_1片

  • 玉ねぎ_1/4個

  • セロリ_1/4本

  • パン粉_1/2カップ(20g程度)

  • 牛乳_1/2カップ

  • オリーブオイル_大さじ1

  • クミン_小さじ1/4

  • こしょう_適量

  • 塩_小さじ1/4

  • その他の材料
  • 冷凍グリーンピース_ひとつかみ程度(バター少量を加え、600Wのレンジで2分ほど加熱しておく)

作り方

  • オーブンを200℃で予熱しておく
  • レンズ豆は30分ほど水に漬け、被る程度の水を入れて15-20分ほど煮て水を切っておく
  • にんじん・玉ねぎ・セロリ・マッシュルーム・にんにくは薄切りにしておく
  • フライパンでオリーブオイルを熱し、中火で野菜を7-8分ほど炒めてクミン・塩・こしょうで味をつける
  • 粗熱が取れたら1の豆と一緒にフードプロセッサーにかけ、ペースト状にする
  • 大きめのボウルに4と残りの材料を加え、むらなく混ぜる
  • 型にオリーブオイル(分量外)を塗って材料を流し込み、オーブンの中段で30-40分ほど焼く
  • オーブンから取り出し、型に入れたまま1時間以上置いて冷ます(焼き立ては崩れやすいため注意)
  • 冷めたら切り分けてレンジで温め直し、グリーンピースを添えて出来上がり。ケチャップとウスターを合わせたソースなどをかけて召し上がれ

ポイント

  • 乾燥レンズ豆は大豆の水煮(200g程度)と置き換え可能です。
  • にんじんローフはオーブンの代わりに、炊飯器を使って焼くことも可能です。炊飯器によって異なりますが、通常炊飯で二度炊きを行うとちょうどよく焼き色も付けられます。焼き時間はだいぶかかりますが、オーブンや型なしで作りたい場合はご参考にどうぞ。

食後のヒトコト

にんじんの甘さをクミンが引き立て、相性抜群。マッシュしたレンズ豆も入っているから食べ応えもあります。

ケーキのような見た目ですし、細かく刻んだ具材で野菜が入っていることも分かりにくいので、お子さんも甘くないケーキ感覚で食べてくれるかも。

ナイフなしでも食べられる柔らかな仕上がりなので、グリーンピースを添えるなら、大きめのスプーンでいただいてもいいかもしれません。

オーブンを使うよりだいぶ時間はかかりますが、こちらは炊飯器でも焼くことができるのもポイント。

炊飯器なら釜を型として使えるので、手近に型がないよ……という方にもおすすめです。

ところで、原作の「ミス・ペレグリン」シリーズは続編も出版されていますが、続きの物語は映画化されるのかな?

続編のニュースを心待ちにしながら、今回もごちそうさまでした。

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  • この記事を書いた人

宵闇

作者の心情や時代背景などを頭でっかちに考察しつつ、物語や歴史に登場する料理を作っています。お仕事のご依頼等については、お問い合わせフォームもしくはinfo@saigengohan.comよりどうぞ。

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