老虎菜(ラオフーツァイ)は、中国の東北地方で食べられているサラダのような料理。
たっぷりの香菜(パクチー)にきゅうりやネギ、青唐辛子やピーマンなどの唐辛子類を合わせてタレで和えたシンプルな一皿で、昔から家庭で特によく作られているそうです。

この料理に「老虎(話し言葉で虎のこと)」の名が付いたのには諸説あるようで、強烈な辛味の青唐辛子が緑の香菜にまぎれ隠れ潜んでいるような様子を「凶暴で油断ならない虎」に例えたからだとか、昔東北地方に料理の苦手なお嫁さんがおり、姑に料理を作れと言われて困った彼女が切った香菜や唐辛子を混ぜ、適当に調味料で和えたただけの料理を出したところ、それを見た姑が「なんて虎(中国北東部の方言で虎は愚か者を意味するそう)なの!」と叫んだが、雑に作られたはずの料理がとても美味しく名物になったから……だとかさまざま。

シンプルな料理ほど由来がはっきりしないものも多い印象がありますが、老虎菜もそれっぽいですね。
なお、日本のピーマンは唐辛子を品種改良して辛味を抑え食べやすくしたものですが、中国語圏で「青椒」と呼ばれるそれは単に未成熟な唐辛子のことを指すため、驚くほど辛いそう。

日本でおなじみ辛くないピーマンは「甜椒」と呼ばれ、現地のレシピサイトなどでも老虎菜を作る場合「辛すぎる場合は甜椒を多めに使いましょう」としていたりしますから、辛いのが苦手な方はピーマンを使うのがおすすめ。
甘酢ダレ系のドレッシングにパクチーやピーマンの爽やかさ、カリっパリっとした歯ざわりの良さが心地よく、さっぱりした後味も相まってお肉料理と相性抜群。辛くても辛くなくても食が進んじゃうので、ぜひ一度お試しを。
参考:https://kmweb.moa.gov.tw/theme_data.php?theme=news&sub_theme=variety&id=54088
https://www.epochtimes.com/b5/13/9/9/n3959978.htm
http://www.pman-hasaki.jp/pman/hst.htm